2019年2月度 読書会

 月イチで開催される読書会に参加しました。会の前半は自分で選んだ英語記事のプレゼン、後半は課題本を読んでの意見交換です。今回は、いつものカフェではなく、名古屋城が目の前の、名古屋キャッスルホテルのロビーでゆったりくつろぎながらの会となりました。ケーキが素晴らしく美味しかった。

青空の下の名古屋城
青空の下の名古屋城

英語記事

 今回選んだ英文記事は、「睡眠負債の返済」。私自身、不眠症で睡眠薬も服用しているので、睡眠には大きな関心を持っています。そういう視点で選んだ記事です。

睡眠負債という概念

 「睡眠負債」という概念そのものが生まれたのは1995年頃。それまで睡眠とは何も生み出さない非生産的な時間として考えられていて、睡眠時間を削ったら人間はどうなるのか、という視点での研究が多かったといいます。

 「睡眠負債」とは、本来取るべき睡眠時間(成人では7~9時間と言われる)と実際の睡眠時間との差と定義されます。「睡眠負債」を抱えていても本人に自覚がなく、蓄積しやすいそうです(実際自分もそう思う)。

睡眠のメカニズム

 人間は、2つの機能により睡眠・覚醒のリズムを形成していると言います。1つ目は、起床してから分泌され続けるアデノシン(=睡眠圧、というらしい)の濃度。濃くなるほど眠気が強くなり、就寝中は分泌されないので濃度が下がるそうです。もう1つは、サーカディアンリズム。約24時間の周期で人間の活動度が変わります。
 起床時はアデノシン濃度が低く、サーカディアンリズムも活動的になるので、覚醒します。時間が経つにつれてアデノシン濃度が高くなり、サーカディアンリズム由来の活動度も低下し入眠する、というリズムで人間は生きているとのこと。
 睡眠時間が短いとアデノシン濃度が低下せず、サーカディアンリズムにも狂いが生じるというメカニズムで睡眠負債が蓄積するとのこと。また、睡眠時間が短いほど、反射テストや記憶検査などのスコアが低下し、パフォーマンスが低くなるだけでなく、糖尿病や心臓発作などのリスクが高くなるそうです。

レム睡眠とノンレム睡眠

 睡眠には、脳波と眼球運動の有無とからREM(Rapid Eye Movement)睡眠とnon-REM睡眠とがあり、non-REM睡眠は脳波の状況によりいくつかの段階があると考えられています。
 REM睡眠時には、筋肉は弛緩し、脳内情報の整理が行われており、他方、non-REM睡眠時には成長ホルモンが分泌されるなどして脳機能の修復が行われていると考えられています。一般的には、non-REM睡眠とREM睡眠が交互に現れ、それを何回か繰り返すことが分かっています。

睡眠負債を蓄積しないために

 十分な睡眠は、ダイエットや運動と同じように重要です。そのため、週末にまとめて寝だめするのではなく、平日においても1時間でも長く寝られるよう、睡眠時間を確保した上での生活設計が必要だと説いています。

読み終えて

 アデノシンやサーカディアンリズムについては新しい知見ですが、そんなことよりも、まず睡眠時間を確保した上で計画を立てる習慣をつけることが重要だということですね。様々なガジェット等を積極的に活用してもっと熟睡感のある睡眠をとりたいと思います。

課題本

アルジャーノンに花束を
アルジャーノンに花束を

 子供程度の知能しか持たないチャーリーという30代の男性が、手術によって一旦は天才と言わしめる能力を持つも、その状態は長続きせず、再び知能が退化していく様子を、経過報告というスタイルで書き綴られた小説です。

 チャーリーが白痴から天才へと変化し、その後退化していく過程が、繊細な描写で手に取るように感じられ、チャーリーになりきり、天才から再び白痴に退化していく中で、周囲の人達も離れていき、孤独感、無力感、生きる価値観が失われていくところで涙してしまいました。

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